<まとめ>
不思議な本だった。「なるほど」と「違うな」の割合は8対2。最も言いたいことはタイトルで言い切ってしまっているので、ある意味中身はおまけみたいなものと言えるかもしれない。
冒頭、ゴリラの話のエピソード(中学生時代に読んだ雑誌に職業適性チャートがあり、最初のQが「あんたはゴリラか?」とあり、YESを選んだら「あなたはゴリラだから人間になろう」という結論になったが、この設問に意味があったのかと衝撃を受けたというもの)があって、著者はわけがわからないと憤り、「ゴリラ~‥を書いた人に会ったらハリセンで頭をたたきたい」と言うのだが、このエピソードで著者は「このゴリラの設問は書いた人が書きたくて書いた(=自分が読みたかったから書いた)のであり、その結果自分が楽しかった」と気づき、その結果本書のタイトルである「読みたいことを書けばいい」と気づいたわけで、しかもその後何十年もエピソードとして忘れずにいるのだから、ある意味ゴリラの設問はすごいテキストだったってことだ。
とはいえ、書いた人はすっかり忘れていると思う。これこそが、著者が本書で言うところの「誰かあなたの書いたことを後世読んで影響を受けることが書いて残す意義」なのだろう。ずーっと言葉の重要性を説いておいてのオチも◎。サクッと読んで古本屋と思ってたけど、読み返すたびに気づきがありそうなので撤回。本棚に残しておくことにしたw。
いろいろ書いたが、ゲラゲラ笑いながら、楽しく読めた。こういう原稿を書ける人は本当にすごいと思う。
<なるほどと思ったところ>
・自分が読みたいことを書けば、自分が楽しい ← 当たり前なんだけど、わかってなかった
・文字が多い本はそれだけで読みたくなくなる。大切なことは文字が少ないこと
・すべての文章は、自分のために書かれるものだ ← 改めて納得w
・広告の仕事の流れ ←シンプルでわかりやすい つまるところは「言葉」も納得
・TVCMは15文字で言う、もしくはワンメッセージ
・何を言うかより、誰が言うか
・広告代理店の心得は「その場限りの誠心誠意、短いけれど本気の恋」
・広告は合コンの自己紹介に似ている =黙っていては何も起こらない&自慢話は最悪
・広告はヘアサロンに似ている 広告制作者は顧客の希望を聞いて仕事をする ただし希望が似合わない場合もあるので思いとどまってもらうのも仕事
・広告は投資ではなく投機。博打に近い。
・誰かがもう書いているなら読み手でいい(=自分が書く必要はない)
・何を書いたかより、誰が書いたか
・履歴書の書き方
・つまらない人間とは「自分の内面を語る人」
・貨幣と言語は同じもの のところ ← 言いたいことはわかるところもある
・書くことはたった一人のベンチャー
<これは違うなと思うか、意味がよくわからなかったところ>
・結論の重さは過程に支えられる…のところ
・起承転結…のところ
・貨幣と言語は同じもの のところ ← が、たとえとしては強引な気がした